
ホテルでも旅館でもなく、家を一軒まるごと借りて泊まる「一棟貸し」。名前は聞いたことがあっても、「鍵はどうやって受け取るの?」「食事はつくの?」「そもそもどんな人に向いているの?」と、いまひとつイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、トラベルライターの私(MASU)が長野県松本市の一棟貸し宿「アイレストヴィレッジ松本」に実際に宿泊し、一棟貸しという泊まり方の仕組み・向いている人・楽しみ方を、間取りや設備の写真とあわせて解説します。アイレストヴィレッジは現在、松本・松本Ⅱ・足利・成田の4棟を運営しており、この記事ではそのうちJR松本駅から歩いて行ける「松本」を例に紹介します。
一棟貸しの宿とは、建物全体をひと組の宿泊者だけで貸し切るスタイルの宿泊施設です。ホテルのようにフロントやロビーで他の宿泊客と一緒になることがなく、チェックインからチェックアウトまで、基本的にスタッフとも顔を合わせずに過ごせるのが大きな特徴です。もともとは感染症対策で他人との接触を避けたいというニーズから広がった泊まり方でもあります。
鍵の受け渡しは、スマートロックや暗証番号式のキーボックスを使った「セルフチェックイン」が一般的。宿泊料金は予約サイトや予約フォームでの事前オンライン決済が基本で、現地での金銭のやり取りもほとんどありません。食事は付かない「素泊まり」が基本スタイルで、キッチンを使って自炊したり、地元の飲食店に出かけたりと、食事の時間を自由に組み立てられます。

実際のチェックインの流れは、次のようなイメージです。
この気軽さこそが、一棟貸しがファミリーやグループから支持される理由のひとつです。
一棟貸しは「大人数向け」というイメージが強いですが、実際にはもっと幅広い旅のスタイルにフィットします。特に向いているのは、次の5タイプです。
| こんな人 | 一棟貸しが向いている理由 |
|---|---|
| 小さな子ども連れのファミリー | 貸し切りなので、夜泣きや走り回る音を他の宿泊客に気兼ねしなくてよい。和室ならお布団で寝られ、ベッドからの転落も心配しにくい |
| ミドル・シニア世代 | 人目を気にせずマイペースに過ごせる。畳の和室でゆっくり休め、段差の少ない洋室のベッドも選べる |
| 友人・三世代などの大人数グループ | 同じ屋根の下でリビングを囲んで過ごせる。1棟あたりの料金を人数で分けるため、1人あたりは割安になりやすい |
| 食いしん坊・自炊好き | フルキッチン付きなので、地元スーパーで買った食材や信州の味を自分たちで調理して楽しめる |
| 移住・二拠点居住を検討中の人 | 戸建てで自炊しながら数日過ごすことで、その土地で暮らす感覚を事前に体験できる |
「大人数でわいわい」だけでなく、「子連れで気楽に」「シニア夫婦でのんびり」「暮らすように連泊」といった目的にも応えられるのが、一棟貸しの懐の深さです。
「旅館の料理は品数が多くてうれしいけれど、少し多すぎる」と感じたことがある人にも、素泊まりの一棟貸しは好相性。食事の量やタイミングを自分たちのペースで決められます。

一棟貸しを気持ちよく使うために、メリットと、あらかじめ知っておきたい注意点の両方を押さえておきましょう。
| メリット | 注意点・事前に知っておきたいこと |
|---|---|
| 建物まるごとプライベート空間で気兼ねがない | 食事やアメニティは基本的に自分たちで用意する(素泊まり) |
| 料金を人数で分担でき、大人数ほど割安になりやすい | セルフチェックインのため、入り方の案内は事前に要確認 |
| フルキッチンで自炊でき、地元の食も楽しめる | 人気の日程は早めに埋まりやすい(連休・行楽シーズン) |
| 連泊で「暮らすように」滞在できる | 住宅地に立地するため、夜間の騒音など近隣への配慮が必要 |
ホテル・旅館との詳しい違いや、アイレストヴィレッジ4施設それぞれの使い分けは、「夏休みの家族旅行は一棟貸しがおすすめ|4施設の使い分け」で詳しくまとめています。あわせてご覧ください。
ここからは、一棟貸しの具体的なイメージがわくように、実際に宿泊した「アイレストヴィレッジ松本」の間取りと室内設備を紹介します。

アイレストヴィレッジ松本があるのは、長野県松本市中条の静かな住宅地。JR松本駅から徒歩約10分、車なら松本ICから約15分でアクセスでき、国宝・松本城までも徒歩約15分と、観光にも街歩きにも便利な立地です。建物は成田の古民家とは異なり、瓦屋根の落ち着いた日本家屋。敷地内には無料の駐車場が1台分あります。

リビングは畳敷きで、ごろりと横になれる寛ぎの空間。プロジェクターが備え付けられており、夜は壁に大画面を映して映画鑑賞を楽しめます。テレビの前に集まるより、みんなで同じ画面を囲む一体感があり、子どもたちにも好評でした。

居間には、DIAPASONのアップライトピアノも置かれています。弾ける人はもちろん、聴くだけの人も、音のある夜を過ごせます。ピアノを主役にした宿泊レビューは、姉妹施設の「アイレストヴィレッジ松本Ⅱ宿泊レビュー」もあわせてご覧ください。
寝室まわりは全4部屋の構成で、最大8名まで宿泊できます。洋室にはベッド、和室にはお布団が用意され、グループの構成に合わせて使い分けられるのが便利なところ。段差の少ないベッドは年配の方に、床に敷くお布団は寝相や転落が気になる小さな子ども連れに、と自然と役割分担ができます。




キッチンは調理器具のそろったフルキッチン。信州のスーパーで手に入る新鮮な野菜や地の物を買い込んで、みんなで料理をするのは一棟貸しならではの楽しみです。数日滞在して自炊をしていると、「この街で暮らしたら」という感覚が自然とわいてきて、移住・二拠点のお試しにもぴったりだと感じました。周辺のコンビニ・スーパー・飲食店は「松本・松本Ⅱ周辺のコンビニ・スーパー・飲食店ガイド」にまとめているので、買い出しの参考にしてください。
「取材で実際に泊まってみて印象的だったのは、チェックインからチェックアウトまで一度もスタッフと顔を合わせずに済む気楽さでした。駅から歩ける立地で、昼は松本城まで散歩、夜は畳のリビングでプロジェクター。ホテルの一室とは違う『家で過ごす旅』の感覚がありました。」
― トラベルライター・MASU(取材メモより)
アイレストヴィレッジ松本は、1棟貸切・1泊 4部屋・最大8名で、料金は1棟23,000円〜(税込・別途清掃代)。駐車場は1台分(無料)が付きます。1棟あたりの料金なので、人数が多いほど1人あたりの負担は下がる仕組みです。
食事のつかない素泊まりだからこそ、キッチンで自炊したり、地元の店で外食したりと、食事の楽しみ方は自由自在。宿泊と食事を切り離す「泊食分離」は、旅行者を地域の飲食店へ送り出す取り組みとして観光分野でも広がっており、観光庁もその考え方を後押ししています。

基本的に会いません。アイレストヴィレッジ松本を含む一棟貸しの宿は、スマートロックや暗証番号を使ったセルフチェックインが中心で、原則スタッフと対面せずに入室・退室できます。
全4部屋で、最大8名まで宿泊できます。洋室のベッドと和室のお布団があり、グループの構成に合わせて使い分けられます。
食事のつかない素泊まりが基本です。フルキッチンが備わっているため、地元の食材を買って自炊もできますし、外食と組み合わせるのも自由です。
JR松本駅から徒歩約10分、国宝・松本城まで徒歩約15分、車では松本ICから約15分です。敷地内に無料の駐車場が1台分あります。
はい。戸建ての一棟貸しで自炊をしながら数日過ごすことで、その土地での暮らしを具体的にイメージしやすく、移住・二拠点の下見としても活用できます。
一棟貸しは、建物をまるごと貸し切り、セルフチェックイン・素泊まりで自由に過ごすスタイルの宿。子ども連れファミリーからシニア夫婦、大人数グループ、自炊好き、移住検討者まで、幅広い人に向いています。アイレストヴィレッジ松本なら、JR松本駅から徒歩10分の日本家屋で、畳のリビングとプロジェクター、フルキッチンを備え、最大8名・1棟23,000円〜で「家で過ごす旅」を体験できます。人数と目的に合わせて、まずは空き状況をチェックしてみてください。
最終更新: 2026-07-21
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、個人の感想を含みます。料金・設備・営業状況は変更される場合があります。最新の情報は公式サイト・予約ページをご確認ください。
※掲載している料金は2026年7月時点の税込価格です(別途清掃代が加算されます)。
この記事を書いた人|MASU(トラベルライター)
アイレストヴィレッジの委託を受け、各施設に実際に宿泊取材。日本家屋の魅力や周辺の観光・グルメ情報を、泊まった人の目線でお届けするトラベルライター。