
松本市の市街地から近い温泉地といえば、浅間温泉と美ヶ原温泉です。日帰り温泉とは、宿泊せずに入浴だけを利用する温泉施設のことです。
浅間温泉と美ヶ原温泉。どちらも大人400円から立ち寄れます。
一棟貸しの宿にはたいてい家庭用の浴室が付いています。ただし温泉ではありません。正直なところ、ここは一棟貸しのデメリットです。裏を返せば、風呂だけ外に出す選択ができるということでもあります。松本という街は、その「外に出す先」が徒歩圏とバス圏の両方にそろっている点で、この組み立てと相性がいい土地です。
筆者は2026年9月時点で公開されている環境省の統計と、浅間温泉・美ヶ原温泉それぞれの公式サイトを突き合わせて、この記事を組み立てました。料金と時間はすべて各施設の公式表示です。

長野県は「温泉利用の公衆浴場数」が718件で、47都道府県のうち最も多い県です。全国の合計7,721件のうち、およそ9.3%が長野県に集まっている計算になります。
この数字は環境省が公表している令和6年度温泉利用状況(令和7年3月末現在)の値です。同じ調査では、長野県は温泉地数193で北海道に次ぐ2位、源泉総数は955。
なぜ日帰りの選択肢が多いのか。その理由は、宿泊施設に付属する湯だけでなく、地域の共同浴場や外湯が数として積み上がっているからです。同じ調査で長野県の宿泊施設数は998件。これに対して公衆浴場数が718件あるので、宿に泊まらない人でも入れる湯が県内に相当数あるということになります。
令和6年度温泉利用状況(令和7年3月末現在)/長野県:温泉地数193・源泉総数955・宿泊施設数998・温泉利用の公衆浴場数718。全国計:温泉地数2,839・源泉総数27,899・温泉利用の公衆浴場数7,721。
出典: 温泉利用状況等について|環境省(数値は同ページ掲載の令和6年度PDFより)
宿泊者にとっての意味はひとつ。泊まる宿を温泉宿に限定しなくても、温泉には入れるということです。
結論から書くと、選択肢の数と夜遅くまで開いている点を取るなら浅間温泉、料金の安さと朝の早さを取るなら美ヶ原温泉です。どちらも松本市内で、市街地から山側へ少し上がった位置にあります。
浅間温泉旅館協同組合の公式サイトによると、浅間温泉はJR松本駅からバスで20分、長野道松本ICから車で20分の距離。源泉の温度が約50℃あるため、加水や加温をせず「完全掛け流し」で入れる宿が多いのが特徴だと説明されています。
浅間温泉観光協会によると、この地は「信州まつもとの奥座敷」。松本市公式観光サイト「松本旅のしらべ」の記述では、開湯千三百年を誇り、かつては松本城主の「御殿の湯」も置かれた温泉地です。
長野県公式観光サイト「Go! NAGANO」によると、湯は無色透明のアルカリ性単純温泉で、においがほぼなく“美人の湯”とも呼ばれます。
地図の中心はホットプラザ浅間(長野県松本市浅間温泉3-16-3)。枇杷の湯・仙気の湯も同じ浅間温泉3丁目にあります。
美ヶ原温泉の日帰り施設は「白糸の湯(ふれあい山辺館)」の1軒です。松本市公式観光サイトによると、泉質は無色透明の弱アルカリ性単純泉。
同サイトの記載では、松本バスターミナルから「ぐるっとまつもとバス」美ヶ原温泉線に乗って美ヶ原温泉下車、乗車時間は約12分で、そこから徒歩3分です。
温泉地としての来歴も古く、松本市公式観光サイトは美ヶ原温泉を「奈良時代からの歴史を誇り、古くは『束間の温湯』として日本書紀にも記されている名湯」と説明しています。
※「束間」を自分たちの由来として挙げる説明は浅間温泉側の資料にも見られ、出典によって記述が分かれます。本記事はどちらが正しいかを判定するものではありません。
白糸の湯(美ヶ原温泉 ふれあい山辺館)/長野県松本市里山辺85-1。
一般社団法人日本温泉協会によると、単純温泉とは「温泉水1kg中の溶存物質量(ガス性のものを除く)が1,000mg未満で、湧出時の泉温が25℃以上のもの」を指します。このうちpH8.5以上のものがアルカリ性単純温泉。
つまり「単純」は成分が薄いという意味であって、質が低いという意味ではありません。刺激が少なく、家族連れでも入りやすい湯だと考えると分かりやすいはずです。
4施設の公式表示をまとめると次のようになります。いずれも2026年9月時点の値です。
| 施設 | 入浴料 | 営業時間 | 定休日 |
|---|---|---|---|
| ホットプラザ浅間 浅間温泉 / 地図 |
大人750円/子供400円 | 10:00〜24:00 入館最終23:00 |
火曜 |
| 枇杷の湯 浅間温泉 / 地図 |
大人800円/子供500円 | 9:00〜21:00 | 月曜 祝日は営業し翌日休み |
| 仙気の湯 浅間温泉 / 地図 |
400円 | 6:30〜20:00 | 第2・第4水曜 12/30〜1/1 |
| 白糸の湯 美ヶ原温泉 / 地図 |
大人400円/子供200円 | 4〜9月 6:30〜22:00 10〜3月 7:00〜22:00 受付終了21:30 |
第1・第3火曜 |
出典: 日帰り入浴・土産店|浅間温泉旅館協同組合/ホットプラザ浅間(料金は4月1日改訂と公式表示)/日帰り温泉 白糸の湯|美ヶ原温泉旅館組合/白糸の湯(美ヶ原温泉 ふれあい山辺館)|松本市公式観光サイト/枇杷の湯・仙気の湯の定休日は浅間温泉の日帰り温泉・入浴施設まとめ|長野県公式観光サイト Go! NAGANOより
表を眺めて気づくのは、営業時間の幅がまるで違うことです。21時半を過ぎてから受け付けてもらえるのはホットプラザ浅間だけ。逆に朝いちばんに入りたいなら仙気の湯か白糸の湯という並びになります。
定休日にも癖があります。火曜が弱いのは浅間温泉のホットプラザ浅間と美ヶ原温泉の白糸の湯、水曜が弱いのは仙気の湯、月曜が弱いのは枇杷の湯。曜日をまたいで連泊するなら、この並びを見ながら入る日を決めると空振りしません。
この組み合わせは、宿の設備と入浴を切り離して選べる点に価値があります。一方で、移動と時間の管理が自分たちの仕事になるというデメリットもあります。メリットとデメリットを並べると次のとおりです。
| メリット | デメリット・知っておきたい点 |
|---|---|
| 宿は人数・キッチン・駐車場で選び、湯は湯で別に選べる | 入浴施設の定休日と宿泊日が重なると計画が崩れる |
| 大人400〜800円なので、家族4人でも1回2,000円前後に収まる | タオル代やロッカー代が別にかかる施設がある |
| 好きな日だけ温泉にでき、連泊でも毎晩は行かなくてよい | 往復の移動が発生し、雨や雪の日は負担が増える |
| 湯上がりに宿へ戻れば、食事も就寝時間も自分たちで決められる | 夕食後に出かけると、受付終了に間に合わない施設が多い |
| 小さな子どもや高齢の家族がいても、無理なら宿の風呂で済ませられる | 共同浴場は脱衣所が混む時間帯があり、人数が多いと待ちが出る |

順番に潰しておくと、当日の判断がほとんど不要になります。最初に決めるのは時間帯です。
営業終了ではなく「受付終了」で考えます。白糸の湯は22:00まで開いていますが、受付は21:30で締まります。夕食後に向かうなら、この30分の差が効いてきます。
ホットプラザ浅間は火曜、白糸の湯は第1・第3火曜が定休です。第1・第3火曜に泊まると、浅間温泉と美ヶ原温泉の主力が同時に閉まります。その週の火曜に入りたいなら、月曜休みの枇杷の湯が受け皿になります。
共同浴場は貸しタオルが有料のことが多く、人数分だと意外に積み上がります。一棟貸しにはたいてい洗濯機があるので、持参して帰ってから洗う方が身軽です。
浅間温泉はJR松本駅からバスで20分。美ヶ原温泉は松本バスターミナルから約12分の乗車と徒歩3分です。車で向かう場合は、施設ごとに駐車場の有無と台数が違うため公式ページで確認してください。
アイレストヴィレッジ各施設のチェックインは16:00〜23:00です。荷物を置いてから向かうのか、先に湯に入って夕方に入室するのか。なぜなら荷物を積んだままの入浴は、防犯上おすすめできないからです。
アイレストヴィレッジは松本市内に2棟あります。どちらも一棟貸しで、温泉ではない家庭用の浴室が付いています。

| 項目 | アイレストヴィレッジ松本 | アイレストヴィレッジ松本Ⅱ |
|---|---|---|
| 所在地 | 松本市中条9-15 | 松本市井川城2-5-14 |
| 定員 | 4部屋/最大8名 | 5LDK/最大10名 |
| 駐車場 | 1台 | 3台 |
| 最寄りの動き方 | JR松本駅 徒歩10分。バス発着点まで歩ける | JR南松本駅 車6分。車移動が前提 |
| 温泉との相性 | 車なしでもバスで浅間温泉へ出られる | 車で複数の外湯を回りやすい |
松本は駅から歩ける立地なので、レンタカーを借りない旅程でも温泉に出られます。松本Ⅱは駐車場が3台あり、大人数で車を分けて動く場合に向きます。
アイレストヴィレッジ松本/長野県松本市中条9-15。JR松本駅から徒歩10分。
アイレストヴィレッジ松本Ⅱ/長野県松本市井川城2-5-14。JR南松本駅から車6分。
実際に一棟貸しに泊まる人は、夕方の買い出しと入浴の順番で悩みがちです。
紅葉の時期に合わせて動くなら上高地の紅葉2026|見頃の時期と美ヶ原・松本を巡る2泊3日を、一棟貸しという形態そのものを知りたい場合は一棟貸しの宿とは?ホテルとの違いと向いている人5タイプをあわせてどうぞ。

本記事で取り上げた4施設は、大人400円から800円です。白糸の湯と仙気の湯が400円、ホットプラザ浅間が750円、枇杷の湯が800円。いずれも2026年9月時点の公式表示です。
日帰りで入れる施設の数と営業時間が違います。浅間温泉は外湯が複数あり、ホットプラザ浅間は24:00まで営業。美ヶ原温泉の日帰り施設は白糸の湯の1軒ですが、大人400円と割安で朝6:30から入れます。
あります。ただし温泉ではなく家庭用の浴室です。アイレストヴィレッジ松本・松本Ⅱとも浴室付きで、温泉に入りたい日だけ外の日帰り施設へ出かける使い方になります。
行けます。浅間温泉はJR松本駅からバスで20分、美ヶ原温泉は松本バスターミナルから約12分の乗車と徒歩3分です。JR松本駅から徒歩10分のアイレストヴィレッジ松本なら、バスの発着点まで歩けます。
持参をおすすめします。共同浴場の貸しタオルは有料のことが多く、人数分では割高になりがちです。アイレストヴィレッジ各施設には洗濯機があるため、使ったタオルは滞在中に洗えます。
まとめると、押さえるべきは次の3点です。
結論としてお伝えしたいのは、松本では「泊まる場所」と「入る湯」を別々に選んでよい、ということです。つまり宿は人数と駐車場と台所で決め、湯はその日の気分と時間で決める。そう分けたほうが、選択肢はむしろ広がります。
本記事の執筆にあたり、筆者は環境省が公表する温泉利用状況と、浅間温泉旅館協同組合・美ヶ原温泉旅館組合・松本市公式観光サイトの各ページを確認しました。掲載した料金と時間はいずれも2026年9月現在の公開値です。アイレストヴィレッジでは、松本を拠点にした過ごし方の情報を、公式データの更新に合わせて今後も整理していきます。
最終更新: 2026-09-10
※本記事は一般的な情報提供を目的とし、個人の感想を含みます。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
※掲載した入浴料・営業時間・定休日は2026年9月現在の各施設公式表示です。改定や臨時休業により変わる場合があります。お出かけ前に各施設の公式ページでご確認ください。
※アイレストヴィレッジの宿泊料金には別途清掃代がかかります。
※参照した公開資料は次の5件です。
MASU(トラベルライター)
アイレストヴィレッジの委託を受け、各施設の情報と周辺の観光・グルメを、施設の公式資料と公的機関の公開データをもとにまとめています。